第6回 40代、50代で起業するときの注意点、戦略、ビジネスモデル

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今回のテーマはアラフォー、アラフィフの起業についての注意点を始め、どんな準備をした方が良いのか、40代、50代で初めて独立する時の戦略ビジネスモデルを紹介します。

また、起業するのに40代以上では遅いと言われている現状に対する、私なりの見解も解説しています。

そして最後に、起業したいという気持ちがずっと続いているのに行動に移せない方に向けて、今日から始めたいことを3つ紹介しています。

40代、50代で起業するのは遅いのか?

起業するなら、遅くとも30代前半まで。

こういった意見をよく見聞きしますね。

これはどういうことなのでしょうか?

私は結局、その人次第だと思うのですが。

というのも、起業するなら若い方が良いと言われる理由は、主に行動量を確保できるからという主張が大半です。

つまり、年齢が若いと身体も元気なので、物理的に活動量を増やせるということですね。

あとは、精神的にチャレンジする気持ちも大きいという考えもあるようです。

つまり、起業で成功するには、そのために必要な行動を、必要な量必要なクオリティーで行えるかどうかにかかっているというわけです。

本質的には、若いから行動量が確保できるのではなく、結局、その人がどれだけ行動できるか、が大きく関係しているので、その人次第と言えます。

ちなみに私は48歳で起業・独立しました。

周りは自分より若い起業家ばかりですが、あまり年齢を気にするような場面は無いので、気にしてもしょうがないのかなとは思います。

40代、50代で起業するときの準備

中高年になってからの起業で、大事だと思う準備についてまとめます。

準備すること

  • 行動計画
  • 資金
  • 人的ネットワーク構築
  • ビジネス経験

行動計画

まず行動計画を立てることが必要だと思います。

何となく頭の中にある、という状態はお勧めしません。

理由は、期限を切らないと行動しない場合が多いからです。

また、行動計画だけならいいのですが、それ以外の計画書、例えば「事業計画」や「販売計画」「資金繰り計画」などを完璧に仕上げようとするのはお勧めできません

この理由も単純で、ほとんどの場合、計画通りに進まないからです。

なぜ事業計画の通り進まないのかは、多くの要素が絡むので一概に言い切れませんが、少なくともビジネスはお客さん(人間)を相手にすることなので、相手の意志や気持ち次第で状況が変わるからです。

なので、まず行動することを前提とした最低限のタスク立てることです。

そして、そのタスクを実行するためのスケジュール(計画)を決めてください。

資金

お金を使おうと思えば、いくらでも使えると思います。

しかし、最初からいきなり自己資金を全部出さないことを肝に銘じてください。

まずはテストマーケティングをすることが大事です。

自分が考えている商品・サービスが受け入れられるかテストするのです。

成果を出し続けている会社や人も、資金を投入するタイミングを冷静に見極めている方がほとんどです。

ビジネスはギャンブルではないので、ある程度の勝算があると確認できるまでは、大きな費用はかけないことです。

例えば、ホームページの制作に100万円以上もかける必要があるのか事務所を借りる必要があるのか人を雇う必要があるのか、などを見極めてください。

人的ネットワーク構築

人脈作りは大事だと思います。

ただ、その場合は、短絡的な視点ではなく、長期的な視点に立って人とのかかわりを持つ機会を増やすことがお勧めです。

例えば、仕事をもらえそうな人に取り入るために近寄るという考えでは、本当の意味での人的ネットワークを構築できません。

そこのあるのは人間関係ではなく、お金だけの関係です。

有名なビジネス書の「7つの習慣」にも出てきますが、Win-Winの関係性を作るのが、人的ネットワークを構築するという意味です。

自分だけが良い思いをしようとしても、良い人間関係は持てません。

ビジネス経験

会社を辞める前に自分で稼ぐ経験をしておくと、精神的にも経済的にも安心度が増すと思います。

脱サラして、無収入になってからビジネスを始めると、先の見通しが立たないことで不安が大きくなります。

特に、お金が減り続けることの恐怖はかなり大きく、精神的に不安定になります。

私も、ほぼ計画なしに起業してしまって、収入が途絶え、預金残高が減り続けることの恐怖に打ちのめされました。

そうならないためにも、「自分は今後も今のビジネスで食っていける」という思えるくらいの見通しを立てられるようになっておいたほうがいいです。

40代、50代で起業するときの注意点

特に50代の方は、サラリーマンを引退した後のことを考え起業しようと思われるかもしれません。

セカンドキャリアとして、今度は自分のやりたいことで、自分のビジネスを持って、「老後2000万円問題」に対応できるくらいの収入源を確保したい、ということでしょう。

しかし、定年後に起業準備を始めるのでは遅いかもしれません。

なぜかというと、新たにビジネスを起こすとなると、一定以上の行動する時間、エネルギーが必要だからです。

そのために、会社に勤めながら、まずは副業で始めることをお勧めしています。

また、一攫千金的な収益ではなく、今の給料と同じくらいの金額を稼ぐイメージで始めることも大事だと思います。

確かに、商品やサービスがヒットすれば、大きな金額を稼ぐことも可能です。

自分でビジネスをする醍醐味の一つが収益に天井が無いことですから。

ただ、大きく成功した人などの成功談は、いったんスルーした方が賢明です。

例えば、マスコミなどで注目されているような成功者と同じような、売上や顧客数、社員数などを目標にしても、短期間には達成できません。

立てた目標が達成できないとなると、「モチベーションが保てない」とか、「劣等感が大きくなる」などの弊害が表れやすくなります。

40代、50代で起業するときのビジネスモデル

40代、50代で起業するときのビジネスモデル、つまり「売るモノ」について見ていきます。

お勧めは、今すぐにでも始められるように、新たに知識やスキルを身につけなくてもできるサービス販売です。

つまり、今の自分が身につけている経験やスキル・知識・情報を商品にするのです。

ただ、職種によっては、「仕事で身につけたスキルや経験にニーズがない」ということもあると思います。

そんな時は、個人的に好きなこと続けていることこだわっていることから商品化できないか検討してみてください。

また、個人的に持っている経験や好きなこと、続けていること、こだわっていることが商品・サービスになると思えないときは、まず自分がかかわりたくない事、嫌なことを明確にすることから始めるて消去法で探してみるのもいいかもしれません。

40代、50代で起業するときのビジネスモデルとしてお勧めしにくいのが、全く未経験で興味や関心が無かったことをビジネスにすることです。

理由は、提供開始までに時間がかかるからです。

例えば、今の仕事のスキルや知識は売れるとは思えない、とか、趣味としてやっていることを仕事にするのは抵抗がある場合、自分が扱いたい商品を見つけるか、コンサルティングやコーチングのスキルを身につけるなど、一気に選択肢が広がります。

つまり、やりたい事、好きなことを探すための時間が必要になります。

そして、もしスキルを身につける必要がある場合は、学ぶための費用と時間も必要になります。

後は、あなたの気持ち次第ですが、今から2年、3年と時間をかけて、成功するかどうか分からないビジネスを始めることが良いと思うか

その点を確認してください。

40代、50代で起業するときの戦略

40代以上のサラリーマンが始めて起業する場合は、特に「競合とどうやって競っていくのか?」、その戦略を考えておく必要があります。

間違っても、いきなり自分より実績や経験が多い競合と争わないようにしてください。

まずは小さく、自分の周りの人に対して提供するなど、ピンポイントで始める方が良いと思います。

また、自分が開発した商品・サービスを提供する場合は、品質で差別化しようとしない方がいいです。

すでに販売実績のある競合の商品やサービスは、多くの場合改良が加えられています。

そして、改良点も既存客からの意見を踏まえていることが予想されるので、品質で勝負しようとしてもかなり不利な状況になる可能性が高いです。

品質を上げつことが差別化だと捉えてしまうと、もう先行する競合に勝つ方法が見つからなくなります。

そこで戦略として、自分の人柄・人間性を差別化の要素にすることをお勧めします。

例えば、「どうせ買うんなら、あなたから買います」と言われる感じの選ばれ方を目指すわけです。

といっても、提供する商品やサービスが、競合と比べてあまり見劣りしないくらいの品質は必要ですが。

40代、50代で起業する人が今すぐ始めたい事

40代で起業・独立した人間としてメッセージとして40代、50代で起業するサラリーマンが、今すぐ始めたいことを3つ紹介します。

1:自分のビジネスを持つと決心する

起業したい」ではなく「起業する」と家族や友人に宣言してください。

もし、家族が反対するに決まっているとか、まだ人に話すタイミングではない、と感じた方は要注意です。

家族が反対すると思う方、もしくは実際に反対している方

なぜ反対されるのかをしっかりと聞くことが大事です。

起業することでデメリットがあると考えているはずですから、それに対してどう対策を立てているのか、くらいは説明できないと話が進みません。

まだ人に話すタイミングではないと思っている方

どのタイミングになったら話が出来るのでしょう?

何となく不安があるとか、自身が無いといった理由だと、いつまで経っても人に話せるタイミングが来ない可能性があります。

ここでお伝えしたているのは、「起業で成功すると保証しろ」ということではありません。

出来るかどうかではなく、自分がやるかどうか、その決心を自分と周りの人に伝えられるかどうかを見極めてくださいということです。

そして、起業する決心がつかないのであれば、どうすれば決心できるのか?その条件を見つけてください。

ちなみに、儲かるネタが見つからないと起業できない、というのは勘違いです。

完璧な事業計画を立てないと起業できないというもの勘違いですから、くれぐれも注意してください。

2どんなビジネスをするか決める

これは「売るモノ」を決めるということです。

まだ売るモノが決まっていない方は、「どんな商品やサービスを扱うと自分がそのビジネスをやり続けられるか?」という視点で考えてもらってもいいと思います。

儲かるかどうかも大切ですが、儲けが出るまで続けられないと、撤退する必要が出てくることも考えられますから。

余談ですが、知り合いのハウスクリーニング会社の社長は、起業してから10年経ってようやく今のサービス提供にたどり着かれたそうです。

起業してから売るモノを探すこともあり得るという例ですが、売るモノが決まっていないと売り上げが安定しないでしょうし、やりがいのある仕事ができないことも考えられるので、現時点で「自信を持って勧められる」と思える商品やサービスを扱うことを優先してもらった方が良いと考えています。

また、「やりたいことが無い」けれど起業したいと思っているときは、次のことを自分自身に問いかけてみてください。

「なぜ自分は起業する必要があるのか?」

この質問の答えを明確にした方が良いです。

というのも、起業する理由が今の環境を変えるためだったりするからです。

もっと直接的に言うと、会社を辞めるために起業を言い訳にしていないか? ということです。

今の環境が気に入らないとか望ましくないから変えたい。

その方法として起業することが正しいのかどうか、冷静になって考えておかないと、また就職先を探すことになりかねませんから。

3いくら稼ぐのか、具体的に必要な金額を計算する

まず、自分が実際に使っている金額(食費や住宅ローンなど)を出してください。

そして、その額を稼ぐために、一か月の間に、

  • 「いくらの商品を何人に買ってもらうのか?」
  • 「そのためにどれくらいの経費が掛かるのか?」

を、ざっくりとでいいので計算しておくことをお勧めします。

特に、売り上げに関係する数字を希望的観測が大きい額にしない方が良いです。

例えば、あるビジネスノウハウだと成約率が50%と謳っているという場合です。

おそらくそう簡単には実現できない数字です。

ビジネスノウハウ提供業者のウラ話ですが、もし、高成約率とか、たった数か月で100万円売り上げた、といった謳い文句のノウハウがあっても、かなり限定的な条件があることも多いので、話半分で聞いておく方が良いです。

そのノウハウを使って、自分が再現させるためには、どんな条件が必要かを明確にしてください。
そして、自分が再現させられそうもないのならその話は見送ることが賢明です。

まとめ

では最後にまとめます。

今回は、40代、50代で起業するときの注意点、戦略、ビジネスモデルを紹介しました。

また、中高年で起業するのは遅いのかどうかという考えについての意見もお伝えしました。

そして最後に、起業したいと思っている40代、50代のサラリーマンがすぐにでもやっておくべき3つのことについて紹介しました。

新しいことにチャレンジしない理由として、年齢を持ち出すのは違うと思います。
ただ、年齢に関係なく、ノウハウさえあれば起業で成功できるというのも無理がある話です。

結局は、自分がなぜ起業したいのか? この部分を明確にできているかどうかにかかってくると思います。

どうか、自分の起業したいという想いがどういったものかを見極めるためにも、やれることはやっておくことをお勧めします。

何も行動しないまま時間だけが過ぎていくと、きっと「あの時やっておけばよかった」と後悔することになりますから。

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投稿者プロフィール

酒井 謙光
酒井 謙光【売れる】を科学する起業・新規事業プロデューサー
40代で脱サラして起業。独立後すぐに月商100万円を突破するも、トラブルが発生し収入ゼロに。

その時に経験した「売り上げゼロ」「顧客ゼロ」の不安を解消しよと、様々な起業セミナー・高額講座に通うも全く成果が出なかった。

なぜ成果が出なかったのかを徹底的に分析した結果を起業したいけれど何をしていいか分からないというサラリーマンに向けて発信するのが使命と考えている。